抄録
従来の画像システムの画素の並びは格子状配置であるため,そこにはジャギーが現れ,場合によって画像の精細さを著しく損なう要因となる.その解消のためには,高解像度化やアンチエイリアス処理が行われているが,高解像度化には画素サイズや画像情報量からの限界があり,またアンチエイリアス処理は輪郭がぼやけるなどの問題点がある.著者らは,画素の配置を擬似的に不規則とすることで,ジャギーの影響を低減することが出来る画像システムの提案と評価を行ってきた.本稿では,最終的な画質の評価指標であるべき、被験者を用いた知覚実験から得られる主観的評価を、空間スペクトルを用いた画像自身がもつ情報から導かれる客観的評価指標と関連付けることを目標とし、両者によるジャギーの特徴の評価の比較、および擬似的不規則画素配置によるジャギーの低減効果についての評価を行う.