抄録
本稿では,携帯電話における基地局と基地局との間で行われるハンドオーバーに関して,効率的なより良い通信品質を確保するために,簡便な電界強度分布推定法を提案し,シミュレーションを行う.具体的には,基地局のエリア(セル)の形状は正六角形からなるハニカム構造とし,各セルの中心に基地局があると仮定した場合の電磁環境下において,移動局が酔歩したときの電界強度分布を推定する近似計算法である.この手法は,入射波と平面大地からの反射波だけを利用した簡単な電界計算法である.また市街地のビル等による電波伝搬減衰量は,統計的な距離特性に着目して距離のベキ数で考慮し,各セルごとで異なる市街地環境等を取り扱うことができる。