抄録
市街地における無線伝搬の実験的検討結果が報告されている.また,レイトレース法による解析が試みられている.レイトレース法は,パーソナルコンピュータなどの比較的小規模な計算機リソースを利用して解析が可能であるという容易さがあり,使用波長に比較して単純な市街地モデルに対して実験結果をよく再現している.一方,詳細な市街地のモデル化は,考慮すべき反射・回折点あるいはレイの数を増やさなければならないことから,計算負荷が増大し,解析が困難になる傾向がある.特に,回折の影響の大きい地上デジタル放送波帯などでの実測値との一致した結果が得られていない.本報告においては,FDTD法による,地上デジタル放送波帯での市街地マイクロセル無線伝搬解析について報告する.