抄録
本稿では,低消費電力オンチップCMOSクロック源回路を提案する.提案クロック源回路は周波数同期技術に基づき,温度・電源電圧依存性の小さいクロックパルスを生成する.回路構成は,リングインバータ構成のVCOを負帰還ループで制御する構成であり,LC共振回路やMEMS素子は用いない.実際に,0.35μm標準CMOSプロセスを用いて試作を行い,測定によりその動作を確認した.出力クロック周波数は,可変可能であり,そのチューニング幅は2-100MHzである.一例として,30MHzのクロックパルス出力において,消費電力は,180μWであった.-20-100℃の温度変動に対して出力クロックパルスの温度係数は,90ppm/℃であり,室温での電源電圧依存性は,4%/Vであった.また,試作チップのプロセスバラツキ依存性(σ/μ)は,2.7%であった.