光電波融合技術(ROF:Radio over Fiber)は無線方式やシステムに対する汎用性や拡張性を有し,今後広く利用されることと期待されている.しかしROFにおいて光信号分岐を利用してマルチセルによる無線サービスを行う場合,セル間の重畳部分にて同一信号による符号間干渉が生じて伝送特性が劣化する.これを解決する方策としてMIMO(Multi Input Multi Output)の異なるアンテナ出力を隣接セルに接続する方式が考えられる.本報告ではROFを利用したマルチセルMIMOを屋外に構築して伝送実験を行い,伝送特性や更に隣のセルからのオーバーリーチの干渉軽減のための出力制御等の検討を行った.その結果マルチセルMIMOでは単純分岐によるマルチセルに比べると重畳部分の干渉抑制によって伝送特性が改善することを確認した.更に隣のセルからのオーバーリーチの影響を軽減するためにはセルの不均等出力制御が効果的であった.