抄録
分子線エピタキシー法によりAu(100)単結晶下地層上にエピタキシャルNiおよびNiFe薄膜を形成し,構造と磁気特性を調べた.hcp-Ni結晶およびhcp-NiFe結晶がそれぞれ基板温度300℃以下および400℃以下で形成された.いずれの場合もhcp結晶はc軸が膜面と平行でしかも互いに90°回転した方位関係を持つ2タイプの(112^^-0)_<hcp>バリアントから構成された.基板温度の上昇に伴い,準安定なhcp結晶はより安定なfcc結晶に変態する傾向が認められた.基板温度100℃で形成したNiおよびNiFe薄膜は主にhcp結晶から構成されていることが分かった.hcp-Niおよびhcp-NiFe薄膜はそれぞれバルクfcc-Niおよびfcc-NiFe結晶とほぼ同程度の飽和磁化値を持ち,hcp<0001>方向に磁化容易軸を持つ磁気異方性を示した.