抄録
両眼視差によって生じる形状の歪み,両眼視差と遠近法情報に対する重みの視差パターン依存性について検討した.テスト刺激は20°のグリッドで,傾斜する平面,正弦波曲面,V字面,余弦波曲面が知覚されるように両眼視差,遠近法情報,もしくはその両方が水平方向に変調された.面の奥行きは0cmから±5.8cmであった.マッチングにより知覚される奥行きと形状が定量化された.その結果,一部の被験者は奥行き反転を示し,これらの反転は傾斜する平面でのみ起きた.反転を示した被験者の中では,傾斜する平面においてより大きな形状の歪みが知覚される傾向があった.