本作INTERCEPTORSは,著者らが製作中の映像作品邀撃の合唱コンクール-INTERCEPTOR-(原作)のダイジェスト版である.我々は本作および原作を通じて,映画製作における常識に対して問いを投げ掛けることを目的とした.それらの常識とは(1)映画は物語を通じて観客に主題を伝えなくてはならない,(2)製作環境が貧しい学生映画においては大作と呼ばれる娯楽映画を製作することは難しい,というものである.しかしながら(1)は映画が主題を伝える媒体の役割しか果たしておらず,主題の伝達方法は映画以外に代替可能である.また(2)については情報処理による効率化で解決可能である.そこで我々は実際に本作および原作を製作することで(2)を解決し,作品の完成をもって(2)の解決を観客に伝えることを主題とすることで(1)への回答を試みた.