抄録
弱い傾斜磁気異方性を持つビットパターン媒体について異方性軸の傾斜方向が記録特性に与える影響についてシミュレーションにより検討した.高さ5nmの15×75×5 nm^3の磁性ドットを軟磁性下地膜上に2.6 Tdot/in^2の面密度で配置したビットパターン媒体を仮定した.ドットの飽和磁化は1000 emu/cm^3とした.異方性軸が垂直方向から長手方向とトラック幅方向に30度傾斜したもの,およびコーン状に傾斜したものについて調べた.シールドプレーナーヘッド磁界を使った記録シミュレーションで,クロストラック方向に異方性が傾斜した場合にはトラック幅方向の記録シフトマージンが増加することが分かった.この効果はトラック幅方向に伸長したドットの形状異方性と結晶異方性の合成異方性磁界の性質で理解できた.
