抄録
磁気記録のトリレンマを解決する方法として、マイクロアシスト磁気記録方式(MAMR)が注目されている。この方式では20GHz以上の高周波磁界を発振する素子が必要であり、いくつかの方式が提案されている。代表的なものがMAMRの提案者である、J-G.Zhuによるものがあり、リファレンス層と磁界発生層(FGL),垂直磁化膜層からなる3層構造のものである。また、筆者らは、リファレンス層と負の磁気異方性をもつFGLからなる2層構造の発振素子の提案を行い,優れた発振特性が得られることを明らかにした.しかし上記した2つの発振素子に関しては,正または負の大きな異方性の材料が必要とされ,その実現性に問題がある.そこで,一般的に広く使用されている垂直磁化膜をFGLに用いた場合の発振特性を調べ、安定した発振が得られる負の磁気異方性材料を用いた場合との比較をおこなう.