本文では,パラメトリック固有空間法を用いて2次元の画像中に存在する多関節物体の姿勢を推定する手法を提案する.提案手法では,多関節物体の3次元モデルから様々な姿勢でのシルエット画像を生成し,それらの画素値をデータとして固有ベクトルを求め,固有空間を得る.次に,各シルエット画像を固有空間上の点に投影し,点の補間を行うことで,姿勢の連続的な変化を表す多様体を構成する.さらに,入力画像に撮像された姿勢推定対象の多関節物体のシルエット画像を固有空間に投影し,多様体上の点との距離を観察することで,最適なパラメータを推定する.このとき,多関節物体を木構造とみなし,根元から末端に向かって段階的にパラメータの最適解を求める事で,計算コストを削減した姿勢推定を実現する.