抄録
近年,個人によるキャラクタアニメーションの製作が盛んになってきているが,初歩的なユーザの前に立ちはだかる壁として,キャラクタのモーション作成が一般には容易でないという問題がある.本研究では,単眼カメラ一台の映像を入力とし,人物の動作を推定,モーションデータを出力するシステムを構築する.本システムは,人物の特徴点(関節位置)をトラッキングし,得られた特徴点列を一連の動作のかたまりと見なされる動作ブロックの列に変換し,その後モーションデータを計算する.動作ブロックへの変換によって,動作に部分的な強調を施したり,動作のキレや抑揚を変化させることができ,表現力のあるモーションデータを容易に出力することが可能となる.本システムを用いることで,キャラクタアニメーション作成の難易度が軽減され,ひいては日本のコンテンツ産業を支える若者の増加に繋がるものと考える.