複眼カメラTOMBO(Thin Observation Module by Bound Optics)は,単一のイメージセンサにレンズアレイを組み合わせた,三次元情報を取得可能な小型カメラである.TOMBOの内視鏡応用を狙い,偏光照明と固定の検光子アレイをもつTOMBOを利用した,粘膜組織内の血管の深さを簡便に画像から判断できるシステムを開発している.本報告では,散乱体による偏光の崩れをモデル化するとともに,3×3眼をもつプロトタイプを試作し,検光子の方向と照明波長によって,散乱体中の構造がどのように観察されるか基礎的な検討を行った.