抄録
本論文では,携帯電話などの基地局最適配置におけるアルゴリズムについて考察している.まず,厳密に議論することが困難である複雑な人工的及び自然的な環境での伝搬特性を,振幅補正因子αと伝搬距離特性のオーダβを導入した1波及び2波モデルに基づいて,近似的かつ簡潔な表現式で表す.次に,これらのモデルに基づき,αとβの値が場所毎に異なる不均質な通信環境を記述するための通信距離関数を提案する.最後に,市街地や郊外地など伝搬特性が場所毎に異なる環境で,隣接した基地局同士の最適距離を得ることが可能なPSO (particle swarm optimization:粒子群最適化)法に基づくアルゴリズムを提案する.数値例では,ランダムな不均質粗面を想定して,三角形を基本とする基地局配置の一例を示す.
