抄録
近年,ITSなどに用いられるレーダーなどの関連技術として,簡易な構成で出力信号の位相差を変えることができる発振器アレーの研究が行われている.本研究では,低コストで高周波信号を発生できるPush-Push発振器を用いた発振器アレーについて検討している.移相器を組み込んだ結合回路を用いてPush-Push発振器をアレー化し,発振器の信号の一部を隣接する発振器に注入している.結合回路の移相量を電気的に可変とすることで,発振器の出力位相差を可変化している.今回,2個のPush-Push発振器を用いた発振器アレーについて,Ku帯で設計を行い,その基本動作の確認を行った.その結果,16.4GHzで214°の大きな出力位相差可変性を実証した.