抄録
レンズやプリズム,回折光学素子等の光学デバイスは民生機器,医療機器,産業機器等ほぼすべての分野で必要不可欠なデバイスとなった.しかし設計技術や材料技術等の飛躍的な進歩はあるが,その基本コンセプトである機械形状による光線あるいは波面制御はガリレイの望遠鏡と違いはない.一方で液晶は表示素子として大きなマーケットを得ているが,その基本的性質から光波のアクティブな変調素子として本質的に優れている.ここでは数百年に一度の技術革新となりうるアクティブな光制御技術の開発とその実用化,そしてそこから見えた課題や今後の取り組みについて報告する.