本論文では,簡単な1波モデルと2波モデルを用いた電磁界計算法に基づき,複雑な都市環境における電界強度分布の数値シミュレーションを行う.まず,基本となる1波モデルと2波モデルについて議論し,振幅補正値αと伝搬距離のオーダーβを導入することによって,このモデルが任意の伝搬環境に適応できることを述べる.次に,この伝搬モデルと秦の実験式とを比較することにより,この2つのパラメータの値が簡単な式で決定できることを示す.最後に,市街地建造物の密度等に関係している容積率を用いた電界強度分布の推定法を提案し,数値例を示す.