抄録
近年,ディスプレイ装置の高輝度化や高階調化が進んでいるが,ディスプレイ装置が持つ輝度範囲に対してどれほどの階調数が適しているのか明らかではない.そこで本研究では,輝度範囲に適した階調数を検討するため,一般的な輝度範囲を持つプロジェクタを用いて印象評価実験を行い,階調数と画像の印象との関係について調査した.実験の結果,表示する画像が多くのグラデーションを含んでいる場合には,8bitを超える階調数が適している可能性が挙げられるが,グラデーションの割合が50%以下の場合,一般的な輝度範囲においては高階調化を知覚できない可能性が示唆された.