抄録
有機EL(OLED)パネルは面発光体であることが大きな特徴の一つであるが,発光面内の輝度の不均一性が従来の照明と比べて知覚されやすい.そのため,OLEDパネルの性能評価において,均一性が重要な項目となってくるが,そのために物理特性だけでなく知覚特性を考慮した評価指標が有効である可能性がある.本研究では,輝度勾配を有するパターンの均一性知覚特性を調べることを目的とした.実験はOLEDパネルを模した様々な輝度変化パターンをもつ視覚刺激を使い,均一性の主観的な大きさを測定した.その結果,刺激内の輝度変化量が大きくなるにつれて均一性はパターンによらず低下した.さらに異なる輝度変化パターン同士で,知覚的均一性が同等になる輝度変化の大きさを調べ,上方向に暗くなるパターンとその他のパターンで同じ均一性を与える輝度変化の大きさが異なることがわかった.