抄録
本研究では,医療用顕微鏡の効率的な遠隔操作を実現するために,動き補償時間フィルタリングとMotion JPEG2000を利用したロスレス/ロッシー・スケーラブル画像伝送システムを提案する.提案システムは,操作端末からの所望領域の探索移動操作情報を動きベクトルとして偶数フレームにグローバル動き補償(GMC)を適用する.GMCは時間方向リフティング構造内の奇数フレームの予測に利用され,この差分情報を強調レイヤーとして利用する.静止時は偶数フレームからなる基本レイヤーと先の強調レイヤーをフルに利用したロスレス復号を行い,探索移動時には軽快な操作を実現すため基本レイヤーのみのロッシー復号を行う.空間圧縮のためにMotion JPEG2000 (MJP2)と併用することで,伝送の負担を減らし操作性の向上を実現する.本研究では,同システムの基本構成について,静止時と操作時の状態に応じたスケーラブル画像符号化の性能について検討を行い,提案システムの有効性を確認する.