抄録
樹木の3Dモデルは、1ポリゴンで1枚の葉を表現することが多く、形状が平坦であるため鏡面反射が不自然になる。一方、葉を滑らかな曲面で表現すると頂点数が増えてしまい、表示速度が低下する。そこで本研究では、関数による法線の変化で葉の曲面性を表現し、写実的なレンダリングを実現する。これにより、葉の投影像が数画素よりも大きいような近景では、自然な鏡面反射を表現できた。しかし、より遠景では、鏡面反射がエイリアシングのため不自然になってしまう。そこで、レンダリング時に法線をフィルタリングする手法を開発した。これにより、近景から遠景まで自然な鏡面反射を表現することが可能となり、樹木のレンダリングの写実性が向上した。