仮想ネイルアートには前腕回旋に対応してネイルチップを重畳する手法が要求される.著者らは爪の重心と指先が指の中心軸に平行なベクトルで結ばれる対称性の性質や,回旋により爪重心が指の中心線からずれる性質を利用すれば,前腕回旋を含む手画像でも自然に重畳できる可能性があることを突き止めた,そこで本稿では重畳に必要なパラメータの設定方法について提案し,それを用いたネイルチップ重畳手法を提案する.提案手法を用いたシステムを用いて実際にネイルチップを重畳し,確認を行ったところ,指の状態に応じてネイルチップが変形して望まれる場所に重畳されていることが確認された.