抄録
本稿では,1波モデルを使用し,複雑な伝搬環境下における電磁界推定,通信距離の分布の計算を行う.現実環境では,反射や回折等により様々な電磁界の減衰が生じる.そこで,1波モデルに対し,振幅補正値(α)と伝搬距離オーダー(β)を導入することにより,複雑な伝搬環境問題を取り扱うことを可能にした.αとβの値は,奥村・秦モデルと比較することで決定する.また,建蔽率を適用することにより,奥村・秦モデルで定義された領域に加え,複雑な伝搬環境を取り扱うことを可能にした.本稿では福岡市を例に挙げ,電界分布を推定する手法を提案する.