抄録
宇宙空間のような高放射線線量の下では機器が誤動作を起こし、最悪の場合故障にいたる。誤動作の原因として粒子線の場合はシングルイベント効果が、ガンマ線の場合は電子材料の電気特性変動が挙げられる。放射線の中でもガンマ線は透過率が高く、電子機器に与える影響も大きい。電子機器への影響の要因として、抵抗やコンデンサ、トランジスタなどの回路素子だけでなく、回路基板自体への影響も考えられている。本論文では、ガンマ線が回路基板に及ぼす影響を検討するために、マイクロストリップアンテナに低線量のガンマ線を照射し、照射時のアンテナ特性の変化について検討している。ガンマ線照射時の回路基板をモデル化し、アンテナ特性をシミュレーションの結果と測定結果とを比較している。