抄録
HDR(高ダイナミックレンジ)画像はγ補正なしの線形量子化で1画素(サンプル)16bitを要する。一方、放送用映像規格はγ補正(γ=0.45)を伴った10bitであるが、1画素1バイトでないのでファイルシステムで扱い難い。そこで、ファイル格納に適したHDR画像形態として、4画素を4バイト(8bit×4)で表現するレンジ符号化を提案した。このデータは16bitの線形量子化画素値に簡単に変換できる。今回は、そのレンジ設定を被符号化画像に適応させることで、高画質化する手法を検討した。レンジ数は16のままで、ヒストグラムの高い画素値のレンジにより狭いレンジを割り当てる。HDR画像評価に適したLPSNR (Local Peak Signal to Noise Ratio)評価で、暗い画像を中心に最大1dB程度改善でき、γ補正10bit画像と同等の品質となることが確認できた。