映像情報メディア学会技術報告
Online ISSN : 2424-1970
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セッションID: HI2015-49/3DIT2015-1
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網膜数理モデルによる固視微動が視知覚に及ぼす影響の検証(視聴覚技術,ヒューマンインタフェースおよび一般)
西野 誠小濱 剛吉田 久
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抄録

本研究では,固視微動による不随異性の振動が網膜の応答に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,傍中心窩における受容野特性を考慮して中心視野領域を覆うスケールでの網膜神経ネットワークモデルを構築し,シミュレーション実験を行った.入力パタンには,帯域制限を施したランダムドットパタンおよびグレーティングパタンを用い,低空間周波数成分および高空間周波数成分の視覚入力に対する網膜応答を算出した.グレーティングパタン入力に対するシミュレーション実験の結果,低空間周波数入力に対しては主としてマイクロサッカードにより増強がもたらされることが示唆された.高空間周波数入力では,これにドリフトやトレマーによる効果が加わることが示唆され,その傾向はM型神経節細胞で顕著となることが示された.一方,帯域制限を施したランダムドットパタンを入力した際は,どの条件でも網膜応答が大きく変化することはなく,固視微動が網膜応答にもたらす影響は,入力パタンの性質に依存している可能性が示唆された.

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© 2015 一般社団法人 映像情報メディア学会
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