抄録
IP網を利用する放送TS伝送装置を製作し、従属同期方式のSFNを構築することに成功した。これまでIP網を利用して従属同期方式のSFNを成立させることは難しかったが、今回新たに製作した装置では、遅延量を制御、固定した上で中継局に安定した放送TSとクロックを伝送し、SFNを成立させることができることを長期間にわたる実験により確認した。また、OFDM変調器の遅延量制御を自動化することにより、切替時の運用者の負担を軽減したり、放送TS中のNullパケットを圧縮した上で、VPN回線を4FSK無線と回線を共用したりするなど、運用においても使いやすく効率的かつリーズナブルなシステムを構築した。