抄録
電磁波を対象とするエナジーハーベスティング(環境発電)においては,レクテナの高性能化が主要な課題である.AMラジオ放送向けのレクテナにおいては,アンテナ部としてコイルが利用される.ただし,コイルの次段の回路への接続方法によっては,多重巻きのループアンテナあるいはヘリカルアンテナのような振る舞いを示すことが考えられる.本稿では,サイズの異なるコイルを作成し,AMラジオの周波数帯における電磁気的特性を測定した.LCRメータによる測定の結果,500[kHz]から1[MHz]において,作成したループコイルの自己インダクタンスは理論値と良好に一致した.ベクトルネットワークアナライザによる測定では,コイルの接続方法による特性の差は見られなかった.以上の結果をもとに作成したコイルを多重巻きのループアンテナあるいはヘリカルアンテナとして利用した際のレクテナの出力特性を比較する.