抄録
超高精細(4K/8K)映像では画面高の1.5〜0.5倍程度の超短距離視が可能になり、画像の中央と周辺で見え方が大きく異なる。また、通常の映像では注視点は中央に偏り、この傾向は視距離が短いほど顕著になる。これらより、画像全体を均一に符号化するのではなく、周辺部の情報量が少なくなる様に符号化するのが合理的である。本報告では、可変リサンプリングにより画像自体を変換し、被符号化画素数を減らす方法で、処理量や符号化効率について検討した。画像変換は画素の見え方をそのまま反映した2次元型と、処理が容易な垂直水平独立型を比較した。さらに、独立型で削減が不十分となるコーナーの情報量をコントラスト変換による量子化制御で減らす方法も検討した。実験結果から最大35%程度のビットレート低減と50%程度の符号化処理量の軽減が確認できた。