抄録
本稿では,画像による三次元座標計測に使用することを想定した新たなマーカとして燐光マーカを提案し,高精度に中心位置を検出可能なことを示す.燐光マーカは,自発光であるため輪郭部分を明るく,また背景の反射光がないため背景部分を暗くすることができ,マーカ輪郭部分と背景部分の輝度値のコントラストを高くすることができる.輝度値を高コントラストにすることでマーカ輪郭部分の輝度勾配が大きくなり,撮影画像の輝度値のばらつきに対する中心位置の検出精度が向上する.燐光マーカの中心位置検出の標準偏差は 0.0042 pixelとなり,従来の再帰性反射マーカよりも約 5倍精密に検出可能なことを確認した.