抄録
次世代の地上デジタル放送では4Kや8Kなどの高画質な映像が伝送されるようになるため必要とされる伝送容量が大きくなる.現行のISDB-T方式で1チャンネルあたりに割り当てられた帯域を増加させずに伝送容量を大きくするためには超多値変調を行った信号を用いる必要がある.しかし,多値数が多くなると雑音や歪みの影響によるビット誤りが起こりやすくなる.一方で,地下街等の電波不感地帯へは放送波をRoF (Radio over Fiber) によって光中継するシステムが導入されている.RoFを通過する信号は光変調する際に劣化が生じる.本研究では超多値変調OFDM信号をRoFにより中継することを仮定して計算機シミュレーションを行い,現行の光中継システムの構成を活かしつつ電波不感地帯で次世代の地上デジタル放送波を受信するシステムの検討を行う.