抄録
我々はこれまで,同相/逆相3給電アンテナを用いた入力振幅比制御による2次元指向性可変アンテナを提案した.このアンテナは,90度の位相差を持つ2つの入力信号をマジックTで合成することにより2つのアンテナ素子の励振位相を変えてビームの方向を制御しようとするものである.本稿では,この2つの入力信号の位相差が90度からずれた場合の特性変動について,理論およびシミュレーションによって検討した.その結果,2つの入力信号の位相差が90度からずれるにしたがって,利得は低下するものの,主ビームの方向そのものはほとんど変わらないことが明らかとなった.