抄録
精細な流体をリアルタイムで計算する方法として位置ベース流体シミュレーション手法がある。この手法では流体の非圧縮性を密度に関する制約として与え、制約を満たすように粒子の位置を直接移動する。この手法は高速で安定した計算が可能であるが、制約を満たすためには反復計算を行う必要があるためリアルタイムアプリケーションでは計算コストの面で問題となる。そこで本論文では、密度の制約を補完するために局所密度補完モデルを設定することで少ない反復計算回数でも非圧縮性を保つ手法を提案する。提案手法を用いることで、従来の手法よりも密度の安定化が可能であり、少ない計算コストで非圧縮性の実現が可能であることが確認された。