抄録
我々は,8Kスーパーハイビジョンや将来の立体テレビなど超高精細映像の記録装置の実現を目指して,磁性細線を用いた映像用超高速メモリーの研究を進めている.これまで垂直磁気異方性を持つ磁性細線の直上にハードディスク用磁気ヘッドを接触固定させることによって仮想的に本メモリーの構造を構築し,磁区の形成・蓄積・検出を一連の動作として確認し,メモリー動作が可能であることを示してきた.磁壁駆動の高速化には磁化を小さくすることが有効だが,磁気ヘッドによる磁区の正確な検出が困難になるという課題があった.今回,磁気光学顕微鏡により磁化の小さな細線においても磁区挙動をリアルタイムに観察できたので報告する.