抄録
本稿では,特徴点の幾何的な配置構成で定義される見えのパターンが複数含まれる画像群から,その繰り返しパターンを自動で抽出することで,局所特徴表現学習のためのデータセットを自動構築する手法を提案する.提案手法では,画像内あるいは画像間で類似した局所特徴点ペアをノード,そのノードペア間の幾何的な類似度をエッジの重みとするグラフを構築し,得られたグラフの中から互いに類似したノードのサブセットを抽出することでパターンを抽出する.上記のパターン抽出は構築したグラフの全貌を走査せず抽出することができるため,既存の繰り返しパターン抽出手法に比べ高速に繰り返しパターンを抽出することができる.また,既存の局所特徴表現学習データセット構築に用いられるアプローチに比べ,写り込む被写体の見えの変化に頑健に見えのパターンを抽出することができる.本稿では,公開データを用いた評価を行い,提案手法が既存手法より効率的にパターン抽出ができることを示す.また,提案手法で構築したデータセットで学習した局所特徴記述子が,画像検索の性能向上に寄与することを示す.