草と緑
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ヒルガオ( Calystegia類)
伏見 昭秀
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2011 年 3 巻 p. 38-44

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抄録

私たちに身近なヒルガオ科の植物として、3属10種について生活史と発生場所について簡単に紹介した。Calystegia属ではヒルガオ(Calystegia pubescens Lindl.)、コヒルガオ(Calystegia hederacea Wall.)、ハマヒルガオ(Calystegia soldanella (L.) R.Br.)、Convolvulus属ではセイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis L.)、Ipomoea属ではノアサガオ(Ipomoea indica (Burm.) Merr.)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba L.)、マメアサガオ(Ipomoea lacunosa L.)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea (L.) Jacq.)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea (L.) Roth)、マルバルコウ(Ipomoea coccinea L.)を取り上げた。とくに、国内で最も多く見られ、古来より親しみのあるヒルガオとコヒルガオを、同草種らの繁殖器官である根茎に着目し、種の比較を試みた研究を紹介した。一方、害草として農地で蔓延するヒルガオを、根茎の耕起による分断によって、数と個体サイズのトレードオフに持ち込み、適応度を下げて防除する方法を紹介した。最後に、近年、「緑のカーテン」として注目されている、ノアサガオについて知見を述べた。まとめとして、ヒルガオ類に限らず、全ての身近な植物は、身近ゆえに人次第で益草にも害草にもなることを喚起した。

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© 2011 特定非営利活動法人緑地雑草科学研究所

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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