草と緑
Online ISSN : 2424-2551
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3 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 伊藤 幹二
    2011 年3 巻 p. 9-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル オープンアクセス
    今日,日本人の多くは,二酸化炭素濃度の上昇や温暖化が地球環境に影響することを知っていても,身の回りに生育する雑草がこの環境変化にどのように反応し,私たちの生活にどのような影響を与えているか気づくことはない.雑草は,人々が環境を変えることによって始めて生まれる生物である.そして,雑草は,‘ふえる’‘ひろがる’‘変化することを特徴とし,これを食草とする昆虫・鳥類・哺乳類も同時に増える・広がる・変化する.今日,都市の二酸化炭素濃度の上昇と温暖化は,雑草のバイオマス量を劇的に増大させ,その直接的・間接的環境および経済的被害を拡大させている.この数10年間気づかないうちに,雑草は生活圏の活動の場を征服しかねない脅威的な生き物に変貌しているのである.それにも関わらず,雑草の繁茂やその被害に対する研究機関,国や地方自治体,そして企業などの無関心や無神経さはいったい何に原因しているのか.雑草の変化に原因する経済的,社会的,環境的被害リスクについて考える.
  • 中川 洋一
    2011 年3 巻 p. 21-25
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 宮池 武蔵
    2011 年3 巻 p. 26-31
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 伊藤 幹二, 伊藤 操子
    2011 年3 巻 p. 32-37
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 伏見 昭秀
    2011 年3 巻 p. 38-44
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル オープンアクセス
    私たちに身近なヒルガオ科の植物として、3属10種について生活史と発生場所について簡単に紹介した。Calystegia属ではヒルガオ(Calystegia pubescens Lindl.)、コヒルガオ(Calystegia hederacea Wall.)、ハマヒルガオ(Calystegia soldanella (L.) R.Br.)、Convolvulus属ではセイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis L.)、Ipomoea属ではノアサガオ(Ipomoea indica (Burm.) Merr.)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba L.)、マメアサガオ(Ipomoea lacunosa L.)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea (L.) Jacq.)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea (L.) Roth)、マルバルコウ(Ipomoea coccinea L.)を取り上げた。とくに、国内で最も多く見られ、古来より親しみのあるヒルガオとコヒルガオを、同草種らの繁殖器官である根茎に着目し、種の比較を試みた研究を紹介した。一方、害草として農地で蔓延するヒルガオを、根茎の耕起による分断によって、数と個体サイズのトレードオフに持ち込み、適応度を下げて防除する方法を紹介した。最後に、近年、「緑のカーテン」として注目されている、ノアサガオについて知見を述べた。まとめとして、ヒルガオ類に限らず、全ての身近な植物は、身近ゆえに人次第で益草にも害草にもなることを喚起した。
  • 伊藤 操子
    2011 年3 巻 p. 45-52
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル オープンアクセス
    トクサ属(Equisetum)はシダ植物トクサ綱に属しているが(1綱1属),雑草とみなされているにはスギナとイヌスギナのみである.作物への雑草害だけでなく,家畜への障害もある.スギナの最大の生物的特徴は,他の雑草類に例を見ない地下器官系の大きさであり,発達した集団では現存量の70~90%を占める.地上部については早春に胞子茎(つくし)が発生し,続いて栄養茎(すぎな)が秋季まで(本州中部以西では4月~11月)次々発生・生長する.地下部は横走根茎とその一部の節に付着する塊茎ならびに地上茎につながる垂直根茎からなる.根茎分布はむしろ30 cm以下に多く,1 mに及ぶことも稀ではない.根茎には地上茎と同様に5~9本程度の稜と溝があり,これらと同数の維管束とともに通気孔がよく発達しており,地下深くまでの生存に適応している.シダ植物であることから,繁殖は本来有性生殖(胞子の発芽により形成された前葉体につくられた精子と卵子の受精で栄養茎ができる)もあるはずだが,野外ではめったに起こらず,栄養繁殖が主体である.繁殖体は根茎断片と塊茎であり,10℃前後の比較的低温でもよく萌芽する.定着した集団の一般的防除法は除草剤による以外になく,比較試験からはアシュラムの6月処理が最も有効であった.
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