草と緑
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コウシュンシバ(Zoysia matrella Merr.)
長沼 和夫
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2014 年 6 巻 p. 19-22

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抄録
標準和名の「シバ」は一般的には「ノシバ」とよばれ、「コウシュンシバ」は「コウライシバ」と称されている。コウシュンシバは九州南東の沿岸部から、東南アジア・インド洋周辺地域・オセアニアなどの沿岸部に自然分布している。芝生には擦り切れに強いこと、低く刈っても緻密さを失わないことが要求される。シバは植物体の上部が失われても下部の節から新しい茎を伸ばすことが出来る。シバはほふく茎で広がるので、踏み付けなどで一部が枯死しても速やかに被覆が回復する。葉は長くその中を平行に緻密で強靭な維菅束通っており、摂食で葉の上部が失われても残った部分で光合成を続けることができる。葉の表面や内部にガラス質の珪酸を蓄積し、擦り切れに強い機能を持っている。シバの生産地での高齢化に伴い、芝生生産や施工にも機械化が求められおり、芝苗を機械的に直接植えつける工法が開発され、ゴルフ場やサッカー場の造成に使われている。
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© 2014 特定非営利活動法人緑地雑草科学研究所

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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