草と緑
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ヨモギ(Artemisia indica Willd. var. maximowiczii (Nakai) H.Hara)〜緑化植物の観点から〜
下野 嘉子
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2014 年 6 巻 p. 23-31

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抄録
国立公園など生物多様性保全の重要性が高い地域では,外来植物による生態系への影響を懸念し,法面緑化には在来種の利用が推奨されてきた.しかし,緑化に使用される在来種の種子の99%は人件費の安い外国で採集されている.地域由来の同種や近縁種が同所的に生育することにより,もともと国内に分布していた地域集団に対して遺伝的撹乱をもたらすことが懸念されている.しかし,外国産緑化種子にはどのような遺伝子型をもつ個体が含まれているのかについてはほとんど調べられていない.そこで,緑化植物として流通量が多い在来種ヨモギを対象に,日本国内に分布する自然集団と,緑化に使用されている外国産種子の遺伝子型を比較することを目的に,葉緑体DNAのハプロタイプ解析を行った.全国の国立公園28箇所より採集された604個体と外国産緑化種子由来の118個体のヨモギを解析した結果,計35ハプロタイプが見つかった.2005, 2006および2008年に輸入された緑化種子には日本と共通のハプロタイプのみ見いだされたが,2007年に輸入された種子からは国内集団からは見いだされなかったハプロタイプが多数見つかった.つまり,年によっては国内のヨモギとハプロタイプ組成が大きく異なる外国産種子を播種する可能性があることが明らかとなった.緑化場所に播種された外国産由来の個体がどの程度広がっているのか,在来集団と交配しているのかを明らかにするためには,さらなる調査が必要である.
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© 2014 特定非営利活動法人緑地雑草科学研究所

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