岩手医学雑誌
Online ISSN : 2434-0855
Print ISSN : 0021-3284
研究
C型慢性肝疾患の肝線維化診断における 2D-shear wave elastographyの有用性
阿部 珠美 黒田 英克藤原 裕大宮坂 昭生滝川 康裕
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 70 巻 4 号 p. 113-123

詳細
抄録

C慢性肝疾患診療において,患者の予後や肝癌発生率に密接に関係する肝線維化の状態を評価することは極めて重要である.これまでの肝線維化診断のゴールドスタンダードは肝生検であったが,侵襲性やサンプリングエラーなどの問題から非侵襲的肝線維化診断法の確立が期待され,超音波弾性イメージング法が注目を集めている.本研究では超音波エラストグラフィの中でも最新の2D-shear wave elastography(2D-SWE)を用い,C型慢性肝疾患における肝線維化診断能に関し既存の血清線維化マーカーと比較し評価した.2D-SWEを用いて測定したshear wave velocityは,肝線維化進展と共に段階的に上昇し,肝線維化診断能は曲線下面積でF4:0.952,F3以上:0.932,F2以上:0.871,F1以上:0.824であり,いずれも血清線維化マーカーより有意に優れていた.2D-SWEは,C型慢性肝疾患における肝維化診断に有用と考えられた.

著者関連情報
© 2018 岩手医学会
次の記事
feedback
Top