岩手医学雑誌
Online ISSN : 2434-0855
Print ISSN : 0021-3284
特別講演
産学官で取り組む岩手医大小児科地域医療支援体制の構築
赤坂 真奈美
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 75 巻 6 号 p. 219-224

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抄録

我が国は急激な少子化が進行しているが,早産・低出生体重児割合はさまざまな要因により増加している. 周産期医療の進歩により新生児の救命率が向上する一方で,高度な医療を必要として退院する医療的ケア児 は全国的に年々増加しており,岩手県も例外ではない.面積が広く地域に点在する重症児に格差なく医療を提 供することは,小児科医の少ない当県においては容易ではない.「いわてチルドレンズヘルスケア連絡会議」は,医療的ケア児者,移行期医療,災害時支援,在宅医療などを重点課題とし,当事者のニーズを調査しながら多職種で連携し活動している.さらに2021 年に設立された岩手県医療的ケア児支援センターはあらゆる相談への対応や地域自治体の人材育成に着手している.我々は産学官連携により,情報通信技術(ICT)を用いた地域格差のない維持可能な医療と体制の構築と,医療的ケア児者とその家族を平時から地域で支える仕組み作りと,災害時の対策強化に取り組んでいる.

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© 岩手医学会
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