岩手医科大学歯学雑誌
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症例報告
抜歯操作中下顎智歯を誤って口底部に迷入させていた1症例について
遠藤 隼人横沢 昭平菅原 正工藤 啓吾
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1976 年 1 巻 2 号 p. 103-106

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抄録

 私たちは,下顎智歯抜歯操作中に誤って口底部に歯牙を迷入させていた症例に遭遇したので報告する。

 症例は23才の男性で,某歯科医院にて8⏋の抜歯を施行された。操作中歯牙が深部へ迷入したため操作は中止され1週間後より開口障害を伴ない,35日目に当科を受診した。来院時の開口度は20mmであった。局所麻酔にて迷入歯牙を摘出したが,歯牙は咀嚼筋隙におちこんでいた。術後2日目より開口練習を行ない順調に経過したので,10日後に退院した。このときの開口度は30mmであり,約2週間後には正常に回復した。

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1976 岩手医科大学歯学会
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