1976 年 1 巻 2 号 p. 88-102
LlSSAJOUS図形法により,歯肉impedance │Z│を計ることを目的とし,測定法と電極の特性などにつき基本的吟味を加えた。本法は精度も高く,bridge法に比し測定手技が極めて簡便で, │Z│を迅速に計測できることを確認した。
さらに,│Z│測定時に重要な役割をする電極につき,種々の工夫をこらし,その6種の電極の交流特性を系統的に調査した。関電極の固有impedance │Z│や,電極圧と│Z│変化率曲線,履歴現象,経時変化の実測成績からcotton-wick電極が安定で勝れていることが見いだされた。このcotton-wick電極を主軸に,種々の電極を用いて,ネコの歯肉│Z│を種々の条件で計測したところ,やはりcotton-wick電極が最適の成 績を示した。
この電極で,正常人,上顎切歯部歯間乳頭部歯肉の│Z│を計測したところ,その綜合│Z│の数値は約5.5-6.0KΩであった。