岩手医科大学歯学雑誌
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原著
歯肉のImpedance測定法の基礎的研究
第1報 測定法と電極特性の吟味
鈴木 隆八幡 文和平 孝清松本 範雄林 謙一郎
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1976 年 1 巻 2 号 p. 88-102

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抄録

 LlSSAJOUS図形法により,歯肉impedance │Z│を計ることを目的とし,測定法と電極の特性などにつき基本的吟味を加えた。本法は精度も高く,bridge法に比し測定手技が極めて簡便で, │Z│を迅速に計測できることを確認した。

 さらに,│Z│測定時に重要な役割をする電極につき,種々の工夫をこらし,その6種の電極の交流特性を系統的に調査した。関電極の固有impedance │Z│や,電極圧と│Z│変化率曲線,履歴現象,経時変化の実測成績からcotton-wick電極が安定で勝れていることが見いだされた。このcotton-wick電極を主軸に,種々の電極を用いて,ネコの歯肉│Z│を種々の条件で計測したところ,やはりcotton-wick電極が最適の成 績を示した。

 この電極で,正常人,上顎切歯部歯間乳頭部歯肉の│Z│を計測したところ,その綜合│Z│の数値は約5.5-6.0KΩであった。

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1976 岩手医科大学歯学会
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