岩手医科大学歯学雑誌
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症例
高度歯周炎症例の歯周治療
八重柏 隆上野 和之
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2002 年 27 巻 2 号 p. 81-86

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抄録
高度歯周炎に罹患した患者の歯を保存するためには,軽度から中等度歯周炎症例の歯周治療とは異なり,適切な初期治療と可能な限り速やかな歯周外科処置が欠かせないと思われる。また歯周炎の進行にともなう歯の離開や突出が生じる高度例では,矯正処置を必要とする。さらに付着歯肉が不足する症例では遊離歯肉移植術等を余儀なくされる場合も多い。我々は,歯の移動および遊離歯肉移植術を必要とした高度歯周炎罹患症例の治療例を報告する。初診段階では保存困難と思われた歯が多数存在したが,約9年間にわたりその大多数を保存することができた。今回の治療を通じて,高度歯周炎症例の歯周治療では,軽度から中等度歯周炎症例とは異なり,いろいろな処置が必要とされることをあらためて認識した。
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2002 岩手医科大学歯学会
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