岩手医科大学歯学雑誌
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原著
ハロペリドールの投与間隔の差によるマウスカタレプシーの減弱と増強現象
増田 義勝村井 繁夫斉藤 弘子西郷 恵弥横矢 久伊藤 忠信
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1983 年 8 巻 1 号 p. 42-48

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抄録

ハロペリドール (HP) によってマウスに起るカタレプシーが, HP の反復投与で改変するか否かについて検討した。実験には ddY 系雄性マウス90匹を用いた。 HP は 0.1M 酒石酸に 1mg/ml の割合で溶解し, さらに生食水で調整, 0.1ml/10g を経口投与した。カタレプシーの観察は HP 投与3時間後にマウス左前肢を水平の金属棒にのせて行い, 棒から離れるまでの時間をカタレプシー持続時間 (カタ時間) とした。HP の投与量は 0.075, 0.3, 0.6, 1.2, 4.8mg/kg とした。HP の投与間隔はそれぞれの用量において, 21日間連日投与群, 中1日おきの計11回投与群, 中3日おきの計6回投与群とした。0.075 および 0.3mg/kg の反復投与では投与間隔にかかわりなくカタ時間に改変は起こらなかった。0.6mg/kg の場合, 連日群では改変は起こらなかったが, 間欠的反復投与群では投与回数に応じてカタ時間の延長が起った。1.2 および 4.8mg/kg の場合はいずれの投与群においてもカタ時間の改変が起った。すなわち, 連投群ではカタ時間の短縮が, 間欠的反復投与群ではカタ時間の延長が起った。

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1983 岩手医科大学歯学会
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