2020 年 14 巻 p. 69-80
2009 年から2019 年にかけて,宮城県内の河川で暖水性魚類4 種を採集した.テングヨウジMicrophis (Oostethus) brachyurus brachyurus,オオクチユゴイKuhlia rupestris,クロホシマンジュウダイScatophagus argus は宮城県初記録ならびに標本に基づく北限記録となる.これらは黒潮がもたらした無効分散による出現であったと考えられる.一方,複数河川から採集されたボウズハゼSicyopterus japonicus には越冬個体が含まれた.