2021 年 15 巻 p. 79-86
淡水二枚貝であるマツカサガイ北東本州固有種の幼生の宿主としてのウグイとニホンアカガエルのオタマジャクシの有用性を調べた.水田用水路で幼生を寄生させた供試個体を水量6L,水温22.3±0.2℃の水槽内で13 日間にわたり継続飼育しつつ,離脱してくる幼生と稚貝の数を毎日計数した.すると,幼生の寄生処理後,平均して9 日目(6 日目から11 日目にかけて)に,ウグイから生きた稚貝が検出された.一方で,ニホンアカガエルからは稚貝が検出されなかった。ウグイでは,寄生した幼生の27%以上が稚貝への変態に成功したことから,ウグイはマツカサガイ北東本州固有種の幼生にとって適合度の高い宿主とみなせる.