大阪府内を流れる淀川本川で2020–2023 年に採集された特定外来生物チャネルキャットフィッシュIctalurus punctatus の胃内容物から,絶滅のおそれのあるサナエトンボ科5 属6 種の幼虫(ヤゴ)が確認された.確認されたヤゴは個体数の多い順に,オオサカサナエStylurus annulatus (26 個体),メガネサナエS. oculatus (5 個体),オナガサナエMelligomphus viridicostus (2 個体),ホンサナエShaogomphus postocularis,アオサナエNihonogomphus viridis およびコオニヤンマSieboldius albardae (各1 個体)だった.2022 年4 月に採集したチャネルキャットフィッシュのうち1 個体は,オオサカサナエのヤゴ20 個体を捕食していた.オオサカサナエは環境省レッドリストで絶滅危惧II 類にランクされており,チャネルキャットフィッシュの捕食圧による個体数減少が懸念される.今後,チャネルキャットフィッシュの食性に関する情報の蓄積により,希少昆虫を含む在来生物への影響が明らかになると考えられる.