2000年から2003年に5月から7月にかけて,北海道東部の別寒辺牛川支流大別川で20種類の淡水魚類が採集された.トミヨ属淡水型とジュズカケハゼは,調査期間を通して数多く採集されたことから,大別川付近に定住する優占種であると推察された.それに対して,イトヨ太平洋型,キュウリウオやアメマスなどの遡河回遊性魚類は大別川を産卵遡上の際に,一時的に生活の場として利用すると考えられた.これらのような淡水魚類の出現パターンの差異は,生息する魚類が多様な生活史を有することを反映していると考えられる.そして,別寒辺牛川の広大な汽水域では,魚類が利用できる多様な生息場所が維持されており,さまざまな生活史を持つ魚類の生息が可能となっていると考えられる.