2013 年 7 巻 p. 39-45
伊豆沼・内沼では過去30年で沈水植物群落が著しく衰退し,現在では沼の一部に見られるに過ぎなくなっている.われわれはこれまで,船上から沈水植物の分布調査を行なってきたが,個体数の減少している現状に調査方法がそぐわなくなってきた.そこで本研究では,2011,2012年の2年間にわたって,沼内に入って踏査によって沈水植物のシュート数を直接把握する調査を行なった.伊豆沼では少なくとも2箇所で安定した沈水植物の生育が確認できていたので,それらのポイント周辺で集中的に調査を行なった.その結果,2年間の調査の過程で得られた沈水植物は5種(ホザキノフサモ,ハゴロモモ,イヌタヌキモ,オオトリゲモ,クロモ)で,このうちホザキノフサモ,ハゴロモモ,イヌタヌキモの3種は2年間を通して確認された.これら3種について2年間の確認シュート数を比較すると,いずれの種でも2012年の方が確認数が増加していた.特にハゴロモモの増加は著しく,ホザキノフサモより自生量の多い沈水植物になっていることが明らかとなった.